NPO法人 日本卵殻膜推進協会

卵殻膜に関する研究発表

卵殻膜は加齢マウスの腸内環境と腸–肝機能を改善するプレバイオティクス様効果を有する

■媒体名:Journal of Functional Foods
■掲載日:2024年12月6日
■研究者:Dwina Juliana Warman1), Huijuan Jia1), Yukio Hasebe2), Hisanori Kato1 3)
1) Department of Applied Biological Chemistry, Graduate School of Agricultural and Life Sciences, The University of Tokyo
2) ALMADO Inc., Tokyo, Japan
3) Department of Applied Nutrition, School of Nutrition, Kagawa Nutrition University

【研究方法と結果】
本研究では、 卵殻膜の摂取が老齢マウスの腸内微生物組成に及ぼす影響を、若いマウスおよび老齢マウスと比較した。

腸内細菌叢への影響
卵殻膜を摂取したグループでは、酪酸産生細菌と吉草酸産生細菌の存在量が増加し、盲腸内のイソ酪酸、イソ吉草酸、吉草酸の濃度が大幅に増加した。

脂質関連遺伝子への影響
卵殻膜摂取群では脂質生成関連遺伝子 Srebf1、Acaca、Elovl6、Scd1 の発現が減少したことから、短鎖脂肪酸が肝臓の脂肪生成の抑制に関与している可能性が示唆された。さらに、卵殻膜摂取により肝臓トリグリセリド値の低下が見られ、脂肪分解に関連する2つの主要な遺伝子であるAtglとCpt1aの発現が低下していることと関連していることが示された。

海馬における炎症性サイトカインへの影響
老齢マウスの海馬では Il-6 の発現が 若いマウスと比べて1.74 倍上昇した。しかし、卵殻膜を摂取したマウスでは、若いマウスと同様の Il-6発現量となった。さらに、老齢マウスと比較して、卵殻膜摂取マウスの腸内微生物組成と海馬の炎症の両方が改善されていることが明らかになった。これらの研究結果より、卵殻膜の摂取は腸-脳軸を調節すると考えられた。

【結論】
これらの発見は、毎日卵殻膜を摂取することは健康的な老化をサポートするのに有益な成分であることを示唆している。

卵殻膜に関する研究発表