■卵殻膜は頑丈なメッシュ構造 卵殻膜の主成分はタンパク質です。また、人の髪にも含まれるシスチンなども多量に含まれています。この卵殻膜自体は、卵黄と卵白を隔てる強い線維質の膜で、内膜(厚さ約0.05-0.07 mm)と外膜(厚さ約0.02 mm)と限界膜の3層からできています。内膜と外膜はどちらも線維が入り組んだメッシュのような構造になっています。その線維構造は、構成成分であるⅠ型、Ⅴ型、Ⅹ型コラーゲン、グルコサミン、デスモシン、ヒアルロン酸などがリシルオキシダーゼの働きにより互いに結合してできています。そのため、とても強固で熱にも強く、容易に消化出来ません。
■パウダー化でひらける卵殻膜利用の道
上述したように、卵殻膜は強固なメッシュ構造でヒトではほとんど消化吸収できないため、卵殻膜を食べても体内に取り込むことはできませんでした。しかし、最近では、卵殻膜の加水分解技術や粉砕技術の開発が進み、パウダー化にも成功しています。これによって、卵殻膜の生理作用に関する実験が可能になったり、食用としての活用の道が開けたりしました。